tameshita新しいツールを実際に動かした記録

lemo-opuscarとは?使い方・日本語で頼む映像作りを実際に使って調べてみた動いた

配布元: https://github.com/lemomo-ai/lemo-opuscar  / 2026-10-17 時点で確認

この日に実際に動かした結果です。内容の誤りに気づかれた場合はお問い合わせください。確認のうえ訂正します。

掲載した画面は lemomo-ai/lemo-opuscar のものです。手順の説明に必要な範囲を引用しています。

2026-10-17 の確認以降に本体が更新されています(スターは 2881 → 5523)。最終確認: 2026-10-22

使う前に分かること

必要なものNode.js 20以上、ffmpeg、Python 3.11以上(またはuv)、Claude CodeなどAgent Skillsに対応したコーディングエージェント
動かした環境Linux(x86_64、rootユーザー)、Node.js v22.22.0、Python 3.12(uvの仮想環境)、ffmpeg 6.1.1、Claude Code。
日本語日本語で使うときの注意あり(下に書いた)
確認日2026-10-17(この日に実際に動かした)

動画生成AIに「花火を見る女の子」と頼むと、手足の数がおかしくなったり、カットが変わるたびに別人になったりすることがあります。lemomo-ai/lemo-opuscarは、そもそも動画生成モデルを一切使いません。Claude Codeのようなコーディングエージェントが、絵をプログラムのコードとして1フレームずつ描き、音楽や効果音もその場で合成し、最後にffmpegで結合して1本のmp4に仕上げる、Claude Code向けのAgent Skillです。51種類の画風(スタイル)が用意されていて、スタイルを選んで題材を伝えるだけで、エージェントが監督・画家・作曲家をまとめて引き受けます(どんなスタイルがあるかは、GitHubのリポジトリページを開くと見本の画像つきで一覧になっています)。今回は、1本の線だけで絵を描き切る「one-line drawing(一筆描き)」というスタイルを選び、「夜の屋上で花火を眺めている女の子」という題材を日本語で一言伝え、ナレーション無し・BGMだけの10秒ほどの短い映像ができあがるところまで試しました。音声読み上げ(ナレーション)を使った版、楽器サンプルライブラリを使った本格的な作曲、3D・シェーダー系のスタイル、45秒を超えるような本格的な尺の映像は試していません。

Claude CodeにSkillとして入れる

ターミナル(文字でコマンドを打つ画面)で、Skillを配っている場所(マーケットプレイス)を追加してからインストールします。

claude plugin marketplace add lemomo-ai/lemo-opuscar
claude plugin install lemo-opuscar@lemolab
√ Successfully added marketplace: lemolab (declared in user settings)
√ Successfully installed plugin: lemo-opuscar@lemolab (scope: user)

これだけでSkillの登録は終わりです。あとはこのコマンドを打ったのと同じターミナルでclaudeと打つなどしていつも通りClaude Codeを開き、その会話画面で映像を頼むと、初回だけ自動でライブラリ本体を~/lemo-opuscarにダウンロードし、Node.js 20以上・ffmpeg・Python 3.11以上(無ければuvでも可)が入っているかを確認したうえで、その場に必要な道具(npmパッケージ・Pythonの仮想環境・ヘッドレスブラウザなど)を自分で揃えていきます。入っていないものがあれば、エージェントがその場で何が足りないかを教えてくれます。

一筆描きで、花火を見る女の子を頼む

頼んだのはこの一文だけです。

夜の屋上で花火を眺めている女の子を、10秒くらいの短い映像にして。one-line drawing(一筆描き)のスタイルで。ナレーションは無しで、BGMだけつけて。

エージェントはまず、この題材をどう10秒に収めるかの構成案を3つ考え、「一発の花火に集中する」案を選びました。続けて「one-line drawing」スタイルの技法ファイル(線の引き方・紙の質感・カメラの動かし方など)をスタイル内の見本から取り込み、絵そのもの(女の子と花火の形)とカメラ割り・楽譜は今回の題材用に新しく組み立てています。女の子は「膝を抱えて体育座り」のシルエットを実測の楕円弧で3回ほど描き直し、花火は数式(バラの曲線)で一筆の花びら形にして、花火が開く瞬間だけインクに暖色を一度だけ差す、という組み立てです。音楽は、サンプル楽器を使わず、花火の線を描くペンの速さに合わせて作った独奏の旋律と低いドローン音を、その場でコードから合成していました。レンダリング(1920×1080・秒24コマ・250フレーム)には約1分かかっています。

できあがった後、こう返ってきました。

「夜の屋上で花火を見ている女の子」の映像ができました。一本の線だけで、手すりに座る彼女の後ろ姿と、見上げた先で開く花火を最後まで描き切っています。花火が開く瞬間だけインクに暖色をひとさし入れていて、そこだけがこの絵の中で唯一の色になっています。音はナレーション無しのご指定どおりBGMだけで、サンプル音源は使わず、花火の形を描いている線の速さに合わせて作った独奏の旋律と、紙にペン先が触れる微かな音だけで鳴らしています。最後は花火が静かに消え、ペン先が止まってインクがひとしずく滲んだところで終わります。10秒ほどの短い映像ですが、見返すたびに線が辿った道筋を目で追い直せる作りになっているので、よければ音を出して最後まで見てみてください。

一発目の花火が開いた瞬間がこちらです。暖色のアクセントが、この絵の中で唯一の色として使われています。

一筆描きで描かれた、暖色の花火が五枚の花びらのように開いた瞬間

そして最後、ペン先が止まってインクが一滴にじんで終わる場面です。

一筆描きの線の先に、小さな黒いインクのしみが一つ残って終わる最後の場面

できあがった映像は1920×1080、秒24コマ、10.42秒、ファイルサイズは約4.8MBでした。音量もffmpegの基準(-14 LUFS相当)に合わせて自動で整えられています。

詰まったこと

仕上げの一歩手前でffmpegが「音声が壊れている」と誤判定した

ここから先はエージェントが裏側で自動でやった作業で、普段はうまくいけば読者が見る必要はありません。今回はたまたまこの不具合に当たったので、同じ現象に当たった人のための記録として残します。映像と音をひとつに合わせる最後の工程で、ツール付属の仕上げスクリプトが「11秒のはずの音声ファイルが8.1秒しか読めない、壊れているか途中で切れている」というエラーで止まりました。

sh core/render/mux.sh out/video.mp4 mix.wav hanabi-rooftop.mp4 24 2

音声ファイル自体を単独で確認しても壊れておらず、11秒の単純な音(サイン波だけ)に差し替えても同じエラーが再現したため、音声ファイル側ではなく、使っていたffmpegのバージョン(6.1.1、Ubuntu収録版)側の音量自動調整(loudnorm)機能の進捗表示が、時間を実際より短く報告してしまう不具合だと分かりました。ツール本体のプログラムには手を加えない方針で、同じ仕上げスクリプトがやっているのと同じ2段階の処理(1回目で音量を測り、2回目でその数値を使って本番の仕上げをする)を、コマンドとして手で打ち直すことで完成させています。

ffmpeg -y -loglevel error -i out/video.mp4 -i mix.wav -filter_complex "[0:v]fps=24,noise=c0s=2:allf=t,format=yuv420p[v];[1:a]loudnorm=I=-14:TP=-1.2:LRA=11:measured_I=-18.78:measured_TP=-6.05:measured_LRA=4.90:measured_thresh=-28.78:offset=-0.34:linear=true,aresample=48000[a]" -map "[v]" -map "[a]" -c:v libx264 -preset slow -crf 19 -r 24 -c:a aac -b:a 256k -movflags +faststart -shortest hanabi-rooftop.mp4

これで仕上げ自体は成功し、できあがった映像を確認用のコマンド(ebur128という音量を測るフィルタ)で測り直すと、音量は狙い通りの範囲に収まっていました。同じバージョンのffmpegを使っている場合、同じところで足が止まる可能性があります。

まとめ

「夜の屋上で花火を見ている女の子」という一言の日本語の依頼だけで、構成案を考えるところから、絵・カメラワーク・音楽・効果音・音量の最終調整まで、エージェントが一通りやりきった映像ができました。動画生成AIのような「毎回顔や手足の形が変わってしまう」不安定さが無く、1本の線がどう動いたかを何度でも目で追い直せる仕上がりは、このツールならではだと感じました。途中、仕上げの工程でffmpegのバージョン絡みの不具合に当たりましたが、ツール本体を書き換えずに同じ処理を手で打ち直すだけで解決できています。51種類あるスタイルのうち試したのは1つだけで、人の声によるナレーション、楽器サンプルを使った本格的な作曲、3D・シェーダー系の凝ったスタイル、45秒を超えるような尺の長い映像は、今回は試していません。製品紹介やSNS向けの短い映像を、特定の画風でサッと試したい人には向いていますが、作り込んだ長編や、実写素材を取り込む使い方を試すには、また別の機会が要りそうです。

確認した環境

映像のレンダリングにはPlaywrightというブラウザ自動操作の道具を使いますが、このライブラリが要求するChromiumのビルド番号と、このサンドボックスに元から入っていたビルドの番号が食い違っていました。本来はsetup.sh depsの中でPlaywright自身が正しいビルドを自動でダウンロードしますが、このサンドボックスは外向きの通信が絞られているため、代わりに環境変数PLAYWRIGHT_CHROME(ライブラリが公式に用意している切り替え方法)で元から入っていたビルドを直接指定して済ませました。手元の普通のパソコンではsetup.sh depsを実行するだけで揃います。

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